【準備編】note.004 "チャートの読み方"

こんにちは、皆さん。今回は、FX初心者の方に向けて、ローソク足チャートの基本的な見方について詳しく解説していきます。チャートを見始めたばかりの方や、これからトレードを始めようとしている方にとって、ローソク足の理解は非常に重要です。この記事では、ローソク足の基本から、その構成要素までを丁寧に説明していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

第1部:ローソク足チャートの基本構造

チャートの縦軸と横軸

まず、チャートの縦軸と横軸が何を示しているのかを理解することが重要です。縦軸は価格を示し、横軸は時間を示します。例えば、ドル円のチャートであれば、縦軸は1ドルに対する円の価格を示し、横軸は特定のタイミングでの価格の動きを示しています。

この基本構造を理解することで、チャート上で起こっていることを正確に把握することができます。実際のチャート画面を見ていただいた方が分かりやすいと思うので、画像で説明していきますね。

こちらは現在(2024年6月20日18時頃)のドル円の5分足チャートのスクリーンショットです。何となく、左下から右上に推移していることは分かりますかね。そして、2色のローソク足と横線が3種類(AskとBidと黒色)あるのが分かるかと思います。この連なっている一本一本をローソク足と言い、ローソク足が連続してチャートが形成されています。このローソク足は全てのトレーダーが見ていますので、基本中の基本であり、トレードする際の一番大事な指標となります。

四本値

それではググっと拡大して一本一本丁寧に見てみましょう。

まず、四本値「始値」「終値」「高値」「安値」を覚えていきましょう。

始値(はじめね):取引開始時の価格

終値(おわりね):取引終了時の価格

高値(たかね):取引中の最高価格

安値(やすね):取引中の最安価格

開設は上記の通りなのですが、は?という感じかもしれませんね。とりあえずそういうものだと覚えておいてください。

次にローソク足には2種類あることを覚えてください。一つは陰線、もう一つは陽線です。上記の画像ではグレーが陰線、白が陽線となっています。この色の設定は個々に指定するものなので、緑と赤の組合せでも、黄色と青の組合せでも、何でも構いません。僕の場合はグレーが陰線、白が陽線で設定している、という認識でお願いします。それでは陰線、陽線とは何ぞや、というお話ですが、簡単に説明すると陰線はローソク足の作られる期間に下がった、ということを表し、陽線はその逆でローソク足の作られる期間に上がった、ということを表しています。

最初にさらりと紹介したのですが、こちらは5分足のローソク足となります。これが ローソク足の作られる期間 です。つまり、5分かけて上げ下げを繰り返し、5分間での最高価格が「高値」、最安価格が「安値」、最初の価格が「始値」、最後の価格が「終値」ということです。

ローソク足には「月足」「週足」「日足」「4時間足」「1時間足」「15分足」「5分足」「1分足」あたりが代表的な時間足なのですが、例えば「月足」だったら「始値」は月初の朝7時、「終値」は月末の6時59分59秒、となり、「日足」だったら始値は朝の7時、「終値」は翌朝の6時59分59秒となります。(会社や通貨ペアによって微妙に変わるかもしれません)4時間足は朝の7時から4時間ごとに作られ1日に6本のローソク足を作ります。

上記以外にも「年足」「3月足」「30分足」「3分足」なんかも監視しているトレーダーいたりします。まずは色々触って、見てみるのも良いと思います。結局何足をみても基本的なチャートの読み方は同じになりますので。

少しずつ理解できてきたでしょうか。言葉では分かりづらいかもしれませんが、チャートの動きを眺めていたらすぐに分かると思います。

ところで、上記のチャートはTrading View(トレーディングビュー)といって様々なチャートを表示させることができるツールです。MT4やMT5といった売買ツールでも、もちろんチャートを表示することはできるのですが、Trading Viewが圧倒的に使いやすいです。基本的に無料で十分使えるので、パソコン版とスマホ版、どちらもダウンロードしてみてください。ここまで説明したチャートの基本が一気に理解できるかと思います。使い方等詳しい内容は別記事でまとめたいと思いますので少々お待ちください。余談が長くなってしまいましたね。すみません。

第2部:ローソク足の構成要素

実体とヒゲ

ローソク足は、実体と呼ばれる四角い部分と、上ヒゲおよび下ヒゲと呼ばれる線で構成されています。実体は、始値と終値の差を示し、ヒゲは最高値や最安値と実体との差を示します。

  • 実体: 上昇している場合は陽線(白)、下降している場合は陰線(黒)。
  • 上ヒゲ: その時間内の最高値と実体との差。
  • 下ヒゲ: その時間内の最安値と実体との差。

様々なローソク足

ローソク足は、トレーダーが市場の動向を把握するために使う最も基本的で重要なツールの一つです。ローソク足には多くの種類があり、それぞれが異なる市場のシグナルを示します。ここでは、よく知られたローソク足パターンについて詳しく説明します。

大陽線(だいようせん)

大陽線は、始値よりも終値が大きく上昇したローソク足です。実体が長く、ヒゲが短いことが特徴です。市場が強い買い圧力に支配されていることを示し、通常は強気相場のシグナルとされます。

大陰線(だいいんせん)

大陰線は、始値よりも終値が大きく下落したローソク足です。大陽線と同様に、実体が長く、ヒゲが短いことが特徴です。市場が強い売り圧力に支配されていることを示し、通常は弱気相場のシグナルとされます。

ピンバー

ピンバーは、非常に長いヒゲを持ち、実体が短いローソク足です。長いヒゲは市場が一時的に高値または安値に達したことを示し、反転のシグナルとされます。例えば、長い下ヒゲを持つピンバーは、強気の反転を示します。

十字線(じゅうじせん)

十字線は、始値と終値がほぼ同じで、実体がほとんどないローソク足です。これは、市場が方向感を失っていることを示し、トレンドの転換点や一時的な停滞を示唆することがあります。

包み足(つつみあし)

包み足は、2本のローソク足で構成され、2本目のローソク足が1本目の実体を完全に包み込む形状です。強気の包み足は、前日の陰線を次の日の陽線が包み込む形で、反転のシグナルとされます。逆に、弱気の包み足は、前日の陽線を次の日の陰線が包み込む形です。

はらみ足(はらみあし)

はらみ足も2本のローソク足で構成され、2本目のローソク足の実体が1本目の実体内に収まる形状です。はらみ足は、市場の反転の兆候として認識されることが多く、トレンドの転換点を示唆します。

ダブルボトムとダブルトップ

ダブルボトムは、価格が2回下落して同じ水準で反発するパターンで、強気の反転シグナルとされます。ダブルトップは、価格が2回上昇して同じ水準で反落するパターンで、弱気の反転シグナルとされます。

トリプルトップ(三尊)とトリプルボトム(逆三尊)

三尊は、価格が3回上昇し、中央の高値が最も高くなるパターンで、弱気の反転シグナルとされます。逆三尊は、価格が3回下落し、中央の安値が最も低くなるパターンで、強気の反転シグナルとされます。ヘッドアンドショルダーズとも呼ばれます。先ほどのダブルトップ、ダブルボトムよりも強いシグナルとして認識できます。

価格の動きによっては、終値と次のローソク足の始値にギャップが生じることがあります。これを「窓」と呼びます。大きな買いや売りが重なり、ローソク足が飛ぶように次のチャートが形成されたり、、週末の市場が閉まっている間に大きなニュースがあった場合などに、週明けに窓が開くことがあります。

第3部:時間軸とマルチタイムフレーム分析

時間軸の種類

FXのチャートには、様々な時間軸があります。一般的には、以下の時間軸が使用されます。

  • 月足
  • 週足
  • 日足
  • 4時間足
  • 1時間足
  • 30分足
  • 15分足
  • 5分足
  • 1分足

各時間軸は、特定の時間内の価格の動きを示しており、異なる視点から市場を分析するのに役立ちます。

マルチタイムフレーム分析

マルチタイムフレーム分析(MTF分析)は、異なる時間軸のチャートを同時に分析することで、より精度の高いトレード判断を下す手法です。短期、中期、長期のチャートを組み合わせて使用することで、市場の全体像を把握し、トレンドの持続性や反転の可能性を評価するのに役立ちます。急に難しい話のように思えるかもしれませんが、この考え方をしていないトレーダーはいないと言ってよい程、とても重要であり、勝ちトレーダーになるための第一歩となります。

なぜマルチタイムフレーム分析が重要か

市場は異なる時間軸で異なる動きを見せることがあり、ある時間軸では明確なトレンドが見られる一方で、別の時間軸ではノイズに見える場合があります。例えば、1時間足では明確な上昇トレンドが見られても、日足ではまだ調整局面かもしれません。MTF分析を行うことで、短期的な取引機会と長期的なトレンドの整合性を確認することができます。

具体的な手法

  1. 主要タイムフレームの選定
  • 長期タイムフレーム:全体的な市場のトレンドを確認するために使用。週足や日足がこれに該当します。
  • 中期タイムフレーム:具体的なトレードのエントリーポイントやエグジットポイントを見つけるために使用。4時間足や1時間足が一般的です。
  • 短期タイムフレーム:精度の高いエントリーとエグジットのタイミングを見つけるために使用。15分足や5分足がこれに該当します。
  1. 分析の流れ
  • まず、長期タイムフレームで市場の大まかなトレンドを把握します。上昇トレンド、下降トレンド、またはレンジ相場を確認します。
  • 次に、中期タイムフレームでトレードの具体的な戦略を立てます。例えば、支持線や抵抗線を引き、トレンドの転換点を探します。
  • 最後に、短期タイムフレームでエントリーポイントを特定します。短期のチャートを使って、エントリーのタイミングを精査し、リスク管理を行います。

例えば、下記はゴールド/ドルの4時間足、1時間足、15分足のチャートとなります。下記を見てこんなこと考えます。

4時間足(長期的)には下降トレンドなので、ここからの買いはそこまで伸ばせないかもしれない。

1時間足的にはこれまで越えれなかったレジスタンス(抵抗線)を越えることに成功したので、押し目がきたら(下がったら)買いたいなあ。

15分足は上昇トレンドだから動きを見て買っても良さそうだけど、4時間足的には下降だから、売りの圧力には注意して損切は浅めに入れておこう、もしくはロットを抑えようそんな感じ。

ざっくりですが、みたいなことを考えます。

利点と注意点

利点

  • 全体像の把握:異なる時間軸のトレンドを確認することで、より精度の高い市場分析が可能。
  • リスク管理:エントリーとエグジットのポイントをより正確に特定できるため、リスク管理が向上。
  • トレードの一貫性:複数の時間軸で分析することで、トレードの一貫性が保たれる。

注意点

  • 過剰分析のリスク:あまりにも多くの時間軸を分析すると、情報が多すぎて判断が難しくなる可能性がある。
  • タイムフレームの整合性:異なる時間軸の分析結果が矛盾する場合があるため、全体像を見失わないよう注意が必要。

マルチタイムフレーム分析は、市場の全体像を理解し、精度の高いトレードを行うための強力な手法です。異なる時間軸のチャートをバランスよく活用し、戦略的にトレードを行うことが成功への鍵となります。

現在レートとスプレッド

最後に、「買値」と「売値」に関してオマケ程度にご紹介しますね。

上記のチャートの赤色のラインが買値(Ask)、青色のラインが売値(Bid)となります。この買値と売値の価格の差をスプレッドと言います。大体のチャートの基本設定は売値のラインが現在価格として表示されているはずです。買値は表示すらされていないかもしれませんが同じ価格では買えないので、注意してください。買った価格が現在価格よりも高くなるのは、このスプレッドが影響しているためで、通常エントリー直後は含み損からスタートします。スプレッドはブローカーへの手数料なので、どうしようもないのですが、通貨ペアによってスプレッド幅は異なるので、スプレッドの小さい通貨ペアを選ぶ方が勝率は上がります。基本的には取引量の多いメジャー通貨ペアの方がスプレッドは小さくなります。

また、少し難しい話かもしれませんが、スキャルピングやデイトレードといった短期売買よりもスイングトレードのような中長期でのトレードスタイルの方がスプレッドの影響は受けにくくなります。これは狙う値幅が大きいからですね。例えばスプレッドが3ピプスだったとして、短期売買で10ピプスの値幅を取れたとすると利益は7ピプスです。ところが、じっくり利益を伸ばして100ピプスの値幅を取った場合、97ピプスの利益となります。この2つのトレードにおけるスプレッドの影響は全社の方が大きいですよね。つまり、短期売買ではスプレッドの影響を受けやすく、長期売買ではスプレッドの影響が小さくなるというワケです。


以上が、ローソク足チャートの基礎知識と見方の解説でした。急に本格的になりましたね(笑)最後までついて来てもらえたでしょうか。今回の内容は基本中の基本ですので、しっかり理解していただくことで今後のトレードにおいて大きな助けとなるはずです。途中でご紹介したTrading View(トレーディングビュー)でチャートを見るだけでもグッと理解が深まるかと思います。是非見てみて、この後どのような動きをするのかシミュレーションしてみてくださいね。さて次回は「トレードスタイルを知る」と題して、代表的なトレードスタイルをいくつかご紹介していきたいと思いますので、どうぞお楽しみに。それでは、また次回お会いしましょう!

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