FXは、多くのトレーダー、特に少額トレーダーにとって魅力的な投資手段です。少額トレーダーにと付け加えたのも、株式投資に比べて高いレバレッジを効かせることができるからです。株の信用取引では3.3倍のレバレッジですが、FXは1000倍程度のレバレッジを効かせることができます。それに加えて24時間取引が可能であり、兼業トレーダーも参入しやすいのもFXのメリットですね。多種多様な通貨ペアやゴールドなどの商品を選択することも可能です。
今回はFXで成功するための自分に合ったトレードスタイルや適切なリスク管理についてお話していこうと思います。本ブログを通じて、皆さんが自分に最適なトレードスタイルを見つけ、より安全かつ効果的にFX取引を行うための知識を提供できれば幸いです。
第一部:期間別のトレードスタイル
トレードには様々なスタイルがあり、それぞれのスタイルはトレードの期間によって大きく異なります。短期的な価格変動を捉える「スキャルピング」、1日の中で取引を繰り返す「デイトレード」、そして数日から数週間にわたってポジションを保有する「スイングトレード」。これらのトレードスタイルは、異なる時間軸での市場分析と戦略を必要とし、各スタイルに応じたリスク管理とスキルが求められます。
自分に最適なトレードスタイルを見つけることは、成功への重要なステップです。時間的な制約、リスク許容度、トレードの経験などを考慮して、適切なスタイルを選ぶことが大切です。この記事では、それぞれのトレードスタイルの特徴と利点、そして適用する際のポイントについて詳しく解説します。自分に合ったスタイルを見つけるための参考にしてください。
スキャルピングの特徴
スキャルピングは、極めて短期間で利益を狙うトレード手法です。通常、数秒から数分以内にポジションを開閉し、小さな価格変動を捉えて利益を積み重ねます。人によってスキャルピングの認識は微妙に異なるのですが、数時間でもスキャピングと言っている人もいます。
主な特徴
- 超短期取引:
- スキャルピングは、数秒から数分間の短い取引を繰り返すことで利益を得る手法です。一日の取引回数は非常に多くなることが一般的です。
- 高い取引頻度:
- 高頻度で取引を行うため、手数料が低いブローカーを選ぶことが重要です。取引コストが利益に大きく影響します。
- テクニカル分析重視:
- テクニカル指標やチャートパターンに基づいてエントリーとエグジットを行います。ファンダメンタル分析よりも短期的な価格変動に焦点を当てます。チャートは15分足で長期的な流れを見て、5分足で短期的な流れを見て、1分足でエントリータイミングを計る、という感じで見ます。
- 高い集中力:
- 短期間での取引を繰り返すため、高い集中力と迅速な意思決定が求められます。市場の動きを常に監視し、素早く対応する能力が必要です。またチャートひとつひとつの形や1分足が形成される時の動きもエントリーの要素になります。
- リスク管理:
- リスク管理が非常に重要です。小さな利益を積み重ねる戦略のため、損失が発生した場合は即座に損切りを行うことが求められます。
デイトレードの特徴
デイトレードは、1日の取引時間内にポジションを開閉し、夜間にはポジションを持ち越さないトレード手法です。比較的短期間で利益を狙いますが、スキャルピングほど短期ではありません。
主な特徴
- 日中取引:
- デイトレードでは、取引を1日の取引時間内に限定します。ポジションは当日中に閉じ、基本的に翌日には持ち越しません。
- テクニカル分析とファンダメンタル分析:
- 主にテクニカル分析を使用しますが、重要な経済指標やニュースも考慮します。これにより、短期的な価格変動を捉えることができます。
- チャートの時間足で言うと、4時間足、1時間足で長期の流れを見て、15分足で短期的な流れを見て、5分足でエントリータイミングをを計る、という感じで見ます。
- 中程度の取引頻度:
- スキャルピングほど頻繁ではありませんが、1日に複数回の取引を行うことが一般的です。取引回数は、相場の状況やトレーダーのスタイルによります。
- リスク管理:
- ストップロスとテイクプロフィットを設定して、リスクを管理します。1日のうちに複数回取引を行うため、損失を最小限に抑えることが重要です。
- 市場の流動性:
- 流動性が高い市場で取引を行うことが多いです。これにより、素早くポジションを開閉でき、スリッページを防ぐことができます。
スイングトレードの特徴
スイングトレードは、数日から数週間にわたってポジションを保有し、中期的な価格変動を狙うトレード手法です。日々の小さな変動ではなく、より大きなトレンドを捉えることを目的とします。
主な特徴
- 中長期取引:
- スイングトレードは、数日から数週間にわたってポジションを保持します。短期的なノイズに刈られるリスクが減少するのがメリットのひとつです。中長期的なトレンドに注目するので、気持ち的にも余裕ができます。
- テクニカル分析とファンダメンタル分析:
- テクニカル分析に加えて、ファンダメンタル分析を重視しているトレーダーも多くなってきます。が、個人的には基本的にテクニカル一択でOKかと。
- 取引頻度の低さ:
- 取引頻度は比較的低く、1回のトレードで大きな利益を狙います。ポジションを長期間保有するため、取引回数はデイトレードやスキャルピングよりも少ないです。ですので、日中チャートを監視できないトレーダーでも参入しやすいスタイルとなります。
- リスク管理:
- 長期間ポジションを保有するため、ロット管理はもちろんのこと、スワップ(金利差)に関しても注意が必要となります。
- 時間的余裕:
- 他の取引手法と比べて、取引にかける時間が少ないため、仕事や他の活動と両立しやすいです。市場のチェックは毎日必要ですが、常に画面に張り付く必要はありません。
チャートで表すとこんな感じ。上から日足、1時間足、1分足です。それぞれ狙う波の大きさが変わってくるのが分かるでしょうか。また次回ロット管理を詳しく解説していきますが、例えば「1時間足のこの波を狙う」と考えた時にこれより下まで逆行してしまったら損切しよう、そうなってくると〇〇ロット以上張ってしまうと、大きな損失になってしまうのでこれくらいが適正ロットだな。という計算ができたりします。この時、色々な足を見過ぎて、自分のポジションにとって都合の良い時間足に目線を変えるのは、最終的に良くない結果を生みます。1時間足なら1時間足、15分足なら15分足で利確や損切を行うのがポイントです。具体的な戦略はおいおいお伝えしていきますね。
スキャルピング、デイトレード、スイングトレードの各手法は、それぞれ異なる取引スタイルとリスク管理が求められます。まずは色々試してみて、自分のライフスタイルやリスク許容度に合った手法を選ぶことが、成功への第一歩です。
第二部:特定の通貨ペアに絞った取引
特定の通貨ペアに絞った取引は、特定の通貨ペアに集中して取引を行うスタイルです。このスタイルのトレーダーは、選んだ通貨ペアについて深く理解し、取引機会を見極めます。初心者の方はまず、色々なチャートに触れることが大事だと思います。その中でも相性の良い通貨ペアというのが必ず現れますので、それから狙いを定めていくのも手かと思います。
特徴:
- 特定の通貨ペアに集中(ドル円のみ、ゴールドのみ、ポンドオージーのみ、ポンド系のみ等)
- 様々な通貨ペアを監視する必要が無くなるため、徹底的に環境認識や過去検証する
利点:
- 選んだ通貨ペアについての専門知識が深まる
- 通貨ペア特有のクセを知ることができ、分析の精度が向上しやすい
- 特定の通貨ペアの取引時間に集中できる
欠点:
- 取引機会が限定される
- 選んだ通貨ペアに依存するリスクがある
- 他の通貨ペアのトレードチャンスを逃す
トレーダーの数だけスタイルはありますが、1つだけでも勝ちやすい通貨ペアを見つけることができれば、FXの世界で勝つことはできます。個人的には、まずは下記にあるメジャー通貨8種類の全ペア(28個)のチャートを監視するのをオススメします。
はい、やる気失せますよね(笑)すみません。実際ぼくは毎日28個のチャート分析していたのですが、さすがにきつかったです。勉強にはなりましたが。そんな時間ないよ~という方は下記5種類の全ペア(10個)で良いのでチャートを監視する習慣を付けてみてください。
それに加えてゴールド/ドル(XAU/USD)のチャートも追加して合計11個のチャートを前回お伝えしたTrading View(トレーディングビュー)のお気に入りに登録しましょう。毎日、環境認識することでトレードスキルは必ず向上します。環境認識に関してはまた別の機会にお話しますね。
第三部:ハイレバと低レバ
FXトレードにおいて、レバレッジ(レバ)は重要な概念です。レバレッジとは、証拠金を使って、その何倍もの取引を行うことができる仕組みです。ハイレバレッジと低レバレッジには、それぞれのメリットとデメリットがあります。明確に何倍以上がハイレバとかは無いのですが、100倍を超えるとハイレバの域かなあという印象です。割と人によるところだと思うので、そこまで何倍かは気にしなくても良いです。実際に気にしないといけないのはロットです。ロットによってその取引がハイレバにも低レバにもなります。このあたりは学習するより、実際にデモ口座でも良いのでやってみるのが良いでしょう。
ブローカーに関しては、また比較した記事をご紹介しますが、とりあえず最大手の XM を使えば間違いないです。ぼくもFXを始めてからずっと使っていて、今のところ一度も問題は起こっていませんので。余剰資金を入れてもいいですが、最初のうちはトレーニング期間と割り切って、欲張らずに1万円の入金に抑えることをオススメします(1万円未満だと入金手数料取られるので1万円がオススメです)。 そして、勝てるようになったかも、と思えるくらいになったら入金額を増やしてOKです。それまではグッとこらえて。
ハイレバレッジ
ハイレバレッジは、小さな証拠金で大きなポジションを取ることができるため、短期間で大きな利益を狙うことができます。例えば、レバレッジ100倍を利用すると、1万円の証拠金で100万円分の取引が可能です。このため、小さな価格変動でも大きな利益を得るチャンスがあります。
例:1ドル=100円の時に、レバレッジ100倍で1万ドル(100万円)のポジションを持ったとします。価格が101円に1円上昇すると、1ドルあたり1円の利益となり、1万ドルで1万円の利益を得られます。しかし、逆に1円下落すると1万円の損失となります。
ただし、25倍以上のレバレッジは海外口座に限ります。まず初心者は海外口座一択で良いと思いますが念のため。
メリット
- 高い利益の可能性:少ない資金で大きな取引が可能。株式等ではありえない少額から利益を狙えるのが最大の魅力と言えるでしょう。
- 効率的な資金運用:資金効率が高く、短期間での利益を狙える。ボラティリティの高い通貨で短期間で利益を狙うことが可能です。
デメリット
- 高リスク:価格が少しでも逆方向に動くと、大きな損失を被る可能性がある。入金額以上の損失は無いので、そもそも入金しなければOK。
- 精神的ストレス:常に相場をチェックし、リスクを管理する必要があるため、精神的な負担が大きい。損益の上下により心臓がバクバクなるほどのトレードは間違いなくロットの張り過ぎです。いつか滅びるので、まずは適正なロットを覚えましょう。
低レバレッジ
低レバレッジは、証拠金に対して取引額が少ないため、リスクを抑えたトレードが可能です。例えば、レバレッジ10倍を利用すると、1万円の証拠金で10万円分の取引ができます。このため、大きな価格変動があっても損失を抑えることができます。
例:同じく1ドル=100円の時に、レバレッジ10倍で1万ドルのポジションを持つと、価格が101円に1円上昇した場合、1000円の利益を得ます。一方、価格が99円に1円下落しても、1000円の損失で済みます。
メリット
- 低リスク:損失が抑えられるため、資金が保全されやすい。
- 精神的安定:大きな変動に対しても冷静に対処しやすい。
デメリット
- 低い利益可能性:資金効率が低く、大きな利益を狙うには時間がかかる。いつまでたっても資金が増えない。
- 追証の危険性:国内口座に限りますが低レバと安心していても、大きな変動により、口座の残高以上の損失が生じることがあります。これを追証と言い、国内口座の最大のデメリットになります。逆に海外口座の場合ゼロカットシステムを導入していることが多く、いくら一気にチャートが変動しても口座残高以上に請求されるようなことはありません。
結論
ハイレバレッジと低レバレッジのどちらを選ぶかは、トレーダーのリスク許容度や投資目的によります。高いリスクを取って短期間で利益を狙う場合はハイレバレッジが適していますが、リスクを抑えて安定した取引を望む場合は低レバレッジが適しています。どちらの場合も、自分のトレードスタイルに合わせた適切なリスク管理が重要です。個人的な意見としてはトレード技術が身についてからは積極的にハイレバでトレードし、資金を増やすのが良いと思っています。もちろん、資金管理を徹底した上で、メンタル的にも問題のないロットで行います。その感覚が養われるまでは低レバで相場や資金管理に慣れることが大事だと思っています。
おまけ
最後に、トレーダーによっては売りのみしか狙わない人、買いのみしか狙わない人がいたりもします。ぼくはそのような目線でトレードしたことが無いので、よく分かりませんが、いつもの勝てるパターンが目の前に来るまで「待つ」ということですね。トレーダーの仕事は半分「待つ」ことであったりしますので。そんなトレーダーもいるらしいというお知らせでした(笑)
まとめ
トレードスタイルは、トレーダーの性格やライフスタイル、リスク許容度によって大きく異なります。それぞれのスタイルには利点と欠点があり、自分に合ったスタイルを見つけることが成功の鍵となります。スキャルピングのような短期取引から、スイングトレードや特定の通貨ペアに絞った取引、ハイレバレッジや低レバレッジ取引、さらには売りのみを狙う取引まで、多様なスタイルが存在します。自分のトレード目標やライフスタイルに最適なスタイルを見つけ、リスク管理を徹底しながら、着実にトレード技術を高めていくことが大切です。
各トレードスタイルの特徴を理解し、自分に最適なスタイルを選ぶことで、トレードの成功確率を高めることができます。トレードは常に学び続ける過程であり、自分のスタイルを見直し、改善していくことが重要です。成功するためには、慎重な計画とリスク管理が欠かせません。それぞれのスタイルの特徴を理解し、トレードを楽しみながら成長していきましょう。
次回はぼくのロットの計算方法をご紹介しますね。かなり大事な項目なので、次回も読んでいただければ嬉しいです。それでは!