【準備編】note.009 "最高率の資金管理"

皆さま、こんにちは!FX取引を始めたばかりの頃、多くの人が利益を上げるための戦略やトレードのテクニックに集中しがちです。しかし、これまでの記事をお読みいただいてお分かりいただけたかもしれませんが、テクニックは上澄みの見えやすい部分でしかないです。実際に成功するためには「期待値」の考え方や「ロットや損益計算」など、まずは根本を理解することが重要です。利益を求めて行動してしまう前に、もう少し準備しましょう!今回のテーマは資金管理!こちらも非常に重要です。この記事では、FX初心者でも簡単に実践できる最高率の資金管理方法について解説します。

第1部:資金管理の基本

資金管理の重要性

資金管理というと、何を思い浮かべるでしょうか。「損失は資金の2%に抑えるべき」「ロットを張り過ぎない」「そもそも入金し過ぎない」様々な資金管理法があると思います。トレーダーは誰もがそれぞれ資金管理をしています。「許容損失2%」といっても一回のトレードなのか、一日のトレードなのか。「ロットを張り過ぎない」というのは何ロットを指すのか、証拠金維持率何%なのか。「入金」は一回何万円なのか、月に何万円まで入金してよいのか。

ひとつのルールを取ってみても、それらを守るためにより具体的に、可視化することが重要です。特に初心者は明確な指針がないままに実践してしまいがちです。取引を数年重ねた中級者、自分で決めたルールを守るのは難しいものです。

資金管理とは、トレードにおけるリスクをコントロールし、資産を守るための方法です。多くのトレーダーが失敗する理由の一つは、資金管理を怠ることです。僕自身も初めてFXを始めたとき、資金管理の重要性を理解せずに何度も大きな損失を経験しました。その経験から学んだ教訓を基に、資金管理の基本をお伝えします。

資金管理の具体化

まずは、リスク管理の基本原則についてです。リスク管理をしっかり行うことで、予期せぬ損失から資産を守ることができます。例えば、昔、僕がトレードを始めた頃のはなし、一度に50万の資金を投入してしまい、一晩でゼロカット。「一度に大量入金」「許容損失を決めず」「ロット計算もせず」「感覚でハイレバ」とやってはいけないことの盛り合わせでした。しかも、一時は200万円まで残高を増やしたのに、明け方のスプレッドが開いたときに、全てが無くなりました。入金直後は「許容損失は〇〇万円まで」「ここまでいったら利確」と決めていても、ルールの具体化ができていないと、トレード中に必ず崩壊していきます。メンタル編でもお話したいと思いますが、トレード中は思いもよらぬ行動をしてしまいます。大事な資金を必ず溶かします。そうならない為にも、資金管理の具体化を必ず行いましょう。

僕はそれ以来、以下の基本原則を守るようにしています。

資金管理の具体化

  • 一度の入金は10万円
  • 許容損失は証拠金(残高)の10%
  • 許容損失、SL位置からロット計算
  • リスクリワード比1:1以下ではエントリーしない
  • TPの位置は比率では決めず、相場の節目に合わせる
  • ナンピンせず、ピラミッティングする(同ロット)
  • ピラミッティングする場合、全てカットされても利益のでる位置でSL設置
  • 一度損切した場合、最低3時間はトレードしない
  • 出金は下記の通り

上記は資金管理方法は実際に僕の行っているもので自信を持ってオススメできます。しかし、FXの目的は人それぞれです。例えば、長期的に安定した利益を目指す人もいれば、短期間で大きな利益を狙う人もいます。現在の資産や年齢、性格も資金管理方法を考える上でとても重要になるでしょう。そのため、資金管理もそれぞれの目的や性格に応じた方法を構築する必要があります。

資金管理方法は僕もいろいろ試した結果、上記のように落ち着きました。僕のサイトだけでなく、資金管理方法を公開しているトレーダーは他にもいると思うので、まずは色々試してみて、自分に合ったものを見つけカスタマイズしていくと資産を守りながらしっかりと増やしていけるルールができていくと思います。その中で何回も失敗するかもしれませんが、正解を見つけるまでの確実なステップです。なによりも大切なのは自分で決めたルールを守ること。それが大前提ですので、欲張らず、グッとこらえて着実に行きましょう。

「一度の入金は10万円」

ゼロカットシステムのある海外FXの魅力は入金額以上の損失は被らないということです。1万円入金してレートが一気に動いて1万3000円の損失になったとしても、3000円を請求されることはありません。ですので「入金額=最大損失額」ということになりますので、1万円くらいなら・・・3万円くらいなら・・・5万円くらいなら・・・とそれぞれ余剰資金があると思いますので、無くなっても許容できる額を入金することが大事です。無くなったら少し悔しい、位の金額が一番大事に育てられる印象でもあります(笑)そこらへんは各々で調整してみてください。ちなみにこの考え方は海外口座の考え方となります。国内口座の場合、追証があるので入金額以上に請求されることもあります。国内だとロット張れないのでそこまで意識しなくてもよいかもですが、実際に追証あるみたいなので、ご注意くださいね。

「許容損失、SL位置からロット計算」

トレードを行う際には、必ず損切りラインを設定しましょう。エントリーする前に、どの価格で損切りするかを決めておくことで、冷静な判断が可能になります。例えば、前回の高値や安値、移動平均線など、テクニカル的な根拠に基づいて損切りラインを設定することが重要です。

上記の記事で詳しいロット計算は過去にもやりましたが、さらりとおさらいまで。

損切りラインが決まったら、そのラインまでのpipsを元にロット数を計算します。これにより、1トレードでの損失を一定に保つことができます。例えば、ドル円でのトレードの場合、損失許容額が1万5000円、逆指値までの幅が26.7pipsであれば、ロット数は以下のように計算します。

\begin{align*} \text{ロット数} &= \frac{\text{損失許容額}}{\text{ストップロス幅(pips)} \times \text{1pipsの価値}}\ &=\frac{15000}{26.7\times 1000} \ &= 0.56 \text{ロット} \end{align*}

これで、許容損失は守られましたね。たとえ損切が続いたとしても、トレードルールに忠実にトレードしてください。ここが難しいんですよね。そのためにも、過去検証をして、自分のトレードルールを信じてあげてください。期待値プラスであれば、残高は必ず増えていくはずです。また過去記事を載せておきます。ここで「過去検証」と「期待値」の重要性をまとめてあります。

第2部:複利を用いた資金管理の基本

複利の魅力とは?

複利を用いた資金管理法は、トレードごとに資金の一部をリスクとして設定し、資金が増えるたびにそのリスクも増やしていく方法です。例えば、初期資金が10万円で、損失許容額を資金の10%に設定する場合、最初のトレードでは1万円をリスクとします。もしこのトレードで勝ち、資金が12万円になったら、次のトレードでは1.2万円をリスクとすることになります。

この方法の魅力は、資金が増えるほどリスクも増え、その結果として利益も大きくなることです。複利の力を最大限に活用することで、短期間で資金を大きく増やすことが可能になります。

複利と単利の比較

では、複利を用いた方法と単利を用いた方法を比較してみましょう。初期資金10万円で、リスクリワードが1対2のトレードを行う場合、複利と単利の違いを見ていきます。

単利の場合

  • 損失許容額は1万円(固定)
  • 3連勝した場合の利益は、2万円(固定)× 3回のトレードで6万円の利益

複利の場合

  • 最初の損失許容額は1万円
  • 1回目の勝ちで資金が12万円になり、2回目の損失許容額は1.2万円
  • 2回目の勝ちで資金が14.4万円になり、3回目の損失許容額は1.44万円
  • 3回目の勝ちで資金が17.28万円になり、3回のトレードで7.28万円の利益

このように、同じ条件でも複利を用いることで利益が大きく増えることが分かります。下記に同じ条件で20回トレードした結果をまとめておきました。20回トレードした結果の口座残高は、単利の場合は500,000円、複利の場合は3,833,746円となります。これが世に言う複利の力というやつです。この数字はあくまで100%の勝率の場合なので、極端な数字です。が、まずは夢だけでも見させてもらいましょう。

画像クリックでスプレッドシートに移動

上記の「リスク比率」ですが、リスク÷残高で算出しています。この数値は負けた時の傷の深さを示しています。これを見ると、残高が増えるにつれ、単利では負けた時の傷は浅くて済み、複利では負けた時の傷は一定となります。当たり前のようですが、可視化するとより腑に落ちますよね。

さらに上記のトレードに勝率を加えてみましょう。勝ち続けるわけありませんからね。例えば、勝率70%としてみましょう。リスクリワード比1:2で勝率70%が安定できれば良いトレーダーといえるでしょう。下記が要素に勝率を加えたものです。

結果だけ見ると、20回トレードした口座残高は、単利が290,000円、複利が511,745円となりました。スプレッドシートの関数で「勝ち」「負け」を勝率70%を実現していますので少々ブレはあるのですが、負けを考慮しても複利が有利なことは明確に分かります。

第3部:自分に合った複利を用いた資金管理法の構築

上記の単利と複利、それぞれのメリットを考慮し、ぼくは下記のような資金管理でトレードするようにしています。複利を最大限生かし切らず、定期的に息抜き(出金)してリスクを下げています。出金するまではただの数字ですからね。

資金管理 2/2

  1. 口座残高10万円→30万円になったら10万円出金(初心者のうちは左の数字×0.1がオススメ)
  2. 20万円→50万円になったら20万円出金
  3. 30万円→100万円になったら50万円出金
  4. 50万円→200万円になったら100万円出金
  5. 100万円→300万円になったら150万円出金
  6. 100万円→300万円になったら150万円出金
  7. 150万円→500万円になったら300万円出金
  8. 200万円→700万円になったら400万円出金
  9. 300万円→1000万円になったら1000万円出金
  10. ※途中ゼロカットした場合、10万円から再スタートする

自分に合った損失許容額の決め方

自分に合った損失許容額を決めるためには、まずは自分のトレードスタイルや目標を明確にしましょう。そのためにも下記の記事にある通り、過去検証し、トレードスタイルを固める(トレードルールを作る)、「勝率」「期待値」を算出する必要があります。すべてを数値化するのは面倒くさいかもしれませんが、数値が証明してくれることによって自信につながります。このブログのスプレッドシートは好きなようにコピペしていただいて大丈夫ですので、トレードルールの確立にお役立てください。

トレードルールが固まったところで、次に考えるのが、損失許容額です。例えばAさんとBさん、二人とも口座残高1万円からトレードを始めるとします。ただし、Aさんの預金は0円、Bさんの預金は100万円あります。二人とも同様に許容損失額1,000円、リスクリワード比1:2のトレードをしたとしても、間違いなくポジション保有中メンタルに影響してきます。それは必ず結果に繋がります。結果というのは損益ではなくルールを破ってしまうということです。

つまりAさんにとっては1,000円(10%)のリスクは大きすぎたということです。

もう一つ例を挙げると、1年以内に10万円を1億円にしたいのか、10万円を100万円にしたいのか、自分の目標によってもリスクをどれだけ取るべきか、というのが変わってきます。スピードを求めるなら複利は最大限使う必要がありますし、ゆっくりで良いならリスクを減らすことができます。

ここで何が言いたいかというと、リスク許容額(率)はひとそれぞれで決めて大丈夫です。ぼくは残高の10%を損失許容額と決めましたが、例えば勝率が高ければ残高の30%を損失許容額にした方が、利益の増えるスピードは上がります。しかし、3連敗するだけで口座のほとんどが無くなってしまいます。ぼくのトレードスタイルではいつか破綻してしまいます。また、口座残高=余剰資金の全てでないことも重要です。証拠金の10万がゼロになっても、次の弾があるからメンタルは落ち着いてます。これはひとそれぞれの考え方の違いだけであって、残念ながら正解は無いのです。

まとめ

とにもかくにも大事なのは「期待値」です。リスク次第で勝率も変わってくるので、それにより期待値も変わってきます。要は、期待値プラスのトレードを続けていけば、スピードに違いはあれど勝ち筋は見えてくるのです。リスクを20%さらそうと、2%に抑えようと、期待値がプラスであれば、そして複利の力を使えば、着実に資金は増えていきます。自分に合ったリスク許容度を設定し、期待値プラストレードがんばって見つけてください!次回もお楽しみに。それではまた!

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